見習いAIエンジニアの進捗

学んだことをアウトプット

渋谷に2年住んでみて思うこと

大学のレポートで「渋谷の空間デザイン」についてせっかく書いたので、記事として載せてみます。

 

僕は中高6年間、渋谷から2駅の麻布学園に通っていて、大学に入ってからは渋谷に住み始めて今年で3年目になる。僕にとっての渋谷はいつまで経っても未完成で、騒々しく果てしない変化を続ける街である。本当に工事は終わるのか。最早工事をしていない渋谷は渋谷と言えるのか。常に人が入り乱れて眠らないこの街は、落ち着かないことこそがアイデンティティとなってしまっている。

渋谷再開発における空間のデザインコンセプト案を読んでまず気づいたことは、2027年の自分は、ローカルな渋谷もユニバーサルな渋谷もどちらも享受できる年齢ということである。そこで、大人も若者も楽しめる渋谷の空間デザインについて、渋谷在住の僕なりに考えることにする。

www.city.shibuya.tokyo.jp

 

⑴スパ、温泉などのリラックスできる施設を作る

恵比寿方面に明治通りを10分程度歩くと銭湯が一軒あるが、渋谷には他にスパや温泉といったものがない。水道橋のスパラクーアや、台場の大江戸温泉物語のような半分テーマパーク化したゆったりとできる温泉施設があれば年配の人でも楽しめるだろうし、飲み会で終電を逃した若者もスパで一夜を過ごすならリフレッシュできるだろう。こういった都内の施設は入場料が3000円程度かかって割高だが、渋谷でくつろげるスペースを買うという意味では十分需要はあると考える。

 

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⑵図書館を増設する

渋谷東に一応図書館はあるが、使い勝手があまり良いとは言えない。広尾にある有栖川記念公園内の都立中央図書館のような規模の図書館を作れば、渋谷に落ち着いた空間を確保できる。ちょうど代々木公園ならユニバーサル空間として適しているので、NHKや代々木体育館のあたりに大きな図書館を作ってはどうだろうか。代官山の蔦屋書店×スターバックスコーヒー、スクランブル前の蔦屋書店×WIRED CAFÉ、道玄坂のBOOKLABCAFEのような、書店とカフェの融合が最近とても人気なので、図書館内にカフェを併設すれば幅広い年齢の人々にとってより良い空間になると考える。

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⑶シブチカをさらに便利にする

地上の移動は横断歩道の信号待ちや人の多さで時間のロスとストレスが酷く、本来条例違反であるはずの居酒屋のキャッチや怪しい宗教の勧誘もしつこい。また、雨の日は地面から跳ね返る水が汚くて不快である。そこで、僕はよく近道として地下道を利用している。明治通りの新南口から109までショートカットができるので、大変便利だ。この地下道をもっと渋谷全体に張り巡らせれば、より快適に渋谷の施設間を移動できるし、ハロウィンや年越しの騒ぎの時も迂回路が確保できる。理想としては、道玄坂宮益坂の頂上や、神泉や原宿、代々木公園などにも接続できる地下道があれば渋谷の楽しみ方が何倍にも増えるだろう。今回の空間デザインコンセプト案では地下の活かし方についてあまり言及されていなかったので、このようなユーザー目線の視座も取り入れて欲しいと感じた。

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⑷スポーツ施設の充実

中野体育館や東板橋体育館では毎日競技場を個人向けに一般開放しており、例えばバレーボールやバスケットボールなどはその場で集まった個人同士でチームを組んで楽しめる。渋谷にはすでに個別的でopenで動的なアクティビティとして卓球、ボルダリング、カラオケや、代々木公園の屋外スポーツ施設は充実しているが、その場で老若男女関わらずチームを作って楽しめる屋内スポーツ体験というのは実は乏しい。安価で身体を動かせる場を渋谷駅付近に作ることができれば、また一つ新しい渋谷の楽しみ方が増えるだろう。

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⑸南側を大手企業、道玄坂ベンチャー企業の中心地として一層強化

新南口付近で現在工事中の渋谷ストリームには2019年に六本木ヒルズからGoogleが移転してくる。道玄坂には数々のベンチャー企業が生まれている新太宗ビルを始めとした多くのオフィスが存在する。渋谷は謂わばシリコンバレーのようなイノベーションの中心地となっていて、まさに若者と大人の中間のような熱のある人種が集まる街として一層発展させていけば、渋谷全体が今以上に活気付き、新しい居場所が作られることだろう。また、渋谷ストリームは渋谷ヒカリエと合わせて、六本木ヒルズ東京ミッドタウンのようなオフィスビルかつ街のシンボルとしての機能も果たすことになるだろう。

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以上のように、渋谷自体を一つのブランドとして捉え、重なり合う自分の居場所を見つけるための新しい空間デザインに活かしたらどのようなアイデアが考えられるか挙げてみた。誰にとっても渋谷が今以上に居心地の良い素敵な街になることを願う。